ex:a2206
「現前する意志を喪（うしな）った風景が浮かびあがる」
以前のリビジョンの文書です
「現前する意志を喪（うしな）った風景が浮かびあがる」
| Example ID | a2206 |
|---|---|
| Category | 隠喩・メタファー (metaphor) |
Text
「堯（たかし）の頭には彼にしばしば現前する意志を喪（うしな）った風景が浮かびあがる。 暗い冷たい石造の官衙（かんが）の立ち並んでいる街の停留所。そこで彼は電車を待っていた。家へ帰ろうか賑やかな街へ出ようか、彼は迷っていた。どちらの決心もつかなかった。そして電車はいくら待ってもどちらからも来なかった。圧しつけるような暗い建築の陰影、裸の並樹、疎らな街燈の透視図。」（梶井基次郎「冬の日」: 301-302）
| Context | Focus | Standard | Context |
|---|---|---|---|
| 現前する意志を喪った | （） | 感情 |
- 主体が死にゆくときに感じる感情の変化を、風景の変化として描写している。同一ページに同じ表現がある。「意志を喪（うしな）った風景のなかを死んでいった」を参照。
Conceptual Mapping
| Source | Relation | Target | Pattern |
|---|---|---|---|
| 風景 | = | 感情 | 主体の感情の変化=風景の変化 |
Figurative Marker
| Marker | Elements |
|---|---|
Rhetorical Effect
最終更新: 2019/08/01 14:40 (外部編集)