ex:a2192

「どんな小さな石粒も巨大な悲しみを浮かべている」

「どんな小さな石粒も巨大な悲しみを浮かべている」

Page Type Example
Example ID a2192
Author 梶井基次郎
Piece 「冬の日」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 299

Text

路上のどんな小さな石粒も一つ一つ影を持っていて、見ていると、それがみな埃及(エジプト)のピラミッドのような巨大な悲しみを浮かべている

Context Focus Standard Context
石粒も 悲しみを浮かべている ()

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 人間 = 小石 石ころ=人間

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
描写 (description) 路上の小石に対する当該人物の主観的認識を、小石自体が有する特徴として外部化して表現する。
擬人法 (personification) 小さな石粒に、悲しむ人間のような表情と、その背後にある感受性の存在を感じさせる。
殊句 (-) 通常は生物——典型的には人間——について用いる「悲しみを浮かべる」を、無生物である「ピラミッド」と組み合わせることで、この表現そのものへの注意をひく。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)