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「満月の輪廓は少しにじんでいた」
「満月の輪廓は少しにじんでいた」
Text
「旅に出ます。そう書き置きをしたためて、その夜、飄然と家を出た。満月が浮んでいた。満月の輪廓は少しにじんでいた。空模様のせいではなかった。太郎の眼のせいであった。」
| Context | Focus | Standard | Context |
|---|---|---|---|
| 満月の輪廓は少し | にじんでいた | (にじんで見えた) |
- 同作品24ページの表現とも関係している。「満月が太郎のすぐ額のうえに浮んでいた」も参照。
Rhetoric
Semantics
Grammar
| Construction | |
|---|---|
| Mapping Type |
| Lexical Slots | Conceptual Domain |
|---|
| Preceding | Morpheme | Following | Usage |
|---|
Pragmatics
| Category | Effect |
|---|---|
| イメジャリー・イメージ (imagery) | インクや墨が滲んだときのぼやけた輪郭になぞらえることで、太郎の目に映った満月の姿形を具体的に想起させる。 |
| 風景描写 (scene-description) | 太郎の目に映った満月の様子を描いている。 |
| 主観化 (subjectification) | 涙で潤んだ眼に月がぼやけて見えていることを、月の輪郭自体が滲んでいるものとして表象することで表す。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)
