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「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや、とはこの道だ」

「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや、とはこの道だ」

Page Type Example
Example ID a1611
Author 坂口安吾
Piece 「続堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 239

Text

悪徳はつまらぬものであるけれども、孤独という通路は神に通じる道であり、善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや、とはこのだ。キリストが淫売婦にぬかずくのもこの曠野(こうや)のひとり行く道に対してであり、この道だけが天国に通じているのだ。何万、何億の堕落者は常に天国に至り得ず、むなしく地獄をひとりさまようにしても、この道が天国に通じているということに変りはない。

Context Focus Standard Context
善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや、とはこの ()

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 手段 方法=道

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
アナロジー・類推 (analogy) 孤独に生きるという方法と神との結びつきを道と目的地の関係になぞらえることによって、その方法をとれば神に辿り着けること、その方法から逸れれば神にはたどり着けないことが示唆される。
イメジャリー・イメージ (imagery) 神にたどり着く速さや神までの距離といったものが存在するかのような印象を与える。
寓意・アレゴリー (allegory) 直前の「通路」や「道」に連なる表現。
定義 (definition) 「孤独」がどのようなものであるのかを規定している。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)