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「他人の処女でなしに自分自身の処女を刺殺し」

「他人の処女でなしに自分自身の処女を刺殺し」

Page Type Example
Example ID a1580
Author 坂口安吾
Piece 「堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 228

Text

人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。人間は結局処女を刺殺せずにはいられず、武士道をあみださずにはいられず、天皇を担ぎださずにはいられなくなるであろう。だが他人の処女でなしに自分自身の処女を刺殺し、自分自身の武士道、自分自身の天皇をあみだすためには、人は正しく堕ちる道を堕ちきることが必要なのだ。

Context Focus Standard Context
自分自身の 処女 (守るべきもの) を刺殺し

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 処女 > 理想 青年>主義

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
殊句 (-) 理想という抽象的な言葉で表現するよりも「処女」という刺激的な言葉を用いる方が強烈な印象を与える。
象徴・シンボル (symbol) 純粋さや理想の典型的・代表的な事物として処女がとりあげられている。
対照法・対照 (antithesis) 「処女」という純潔さの象徴を持ち出すことで、「正しく堕ちる道を堕ちきる」こととの対比に際立ちが与えられている。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)