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「智積院の屏風ときては、あの前に坐った秀吉が花の中の小猿のように見えた」

「智積院の屏風ときては、あの前に坐った秀吉が花の中の小猿のように見えた」

Page Type Example
Example ID a1523
Author 坂口安吾
Piece 「日本文化私観」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 196

Text

秀吉自身は工人ではなく、各々の個性を生かした筈なのに、彼の命じた芸術には、実に一貫した性格があるのである。それは人工の極致、最大の豪奢ということであり、その軌道にある限りは清濁合せ呑むの概(がい)がある。城を築けば、途方もない大きな石を持ってくる。三十三間堂の塀ときては塀の中の巨人であるし、智積院の屏風ときては、あの前に坐った秀吉がの中の小猿のように見えたであろう。

Context Focus Standard Context
(智積院の屏風)

  • 換喩によって、屏風と秀吉という現実の関係ではなく、屏風に描かれている絵の世界についての表現になっている。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 > びょうぶ 花>つい立て

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
誇張法 (hyperbole) 智積院の屏風について、そこに描かれた花の存在感に際立ちを与える。
図地構成 (figure-ground organization) 美しく豪華な屏風を背景とした秀吉の簡素で地味な姿を想起させる。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)