ex:a1401

「派手な浴衣の赤褌に」

「派手な浴衣の赤褌に」

Page Type Example
Example ID a1401
Author 夢野久作
Piece 「人間腸詰」
Reference 『夢野久作』
Pages in Reference 371

Text

ヘエ。その病気の名前でゲスか。エエト……そうそう六の親父のが「野垂(のた)れ死に」てえんで、あっしのが「鸚鵡(おうむ)・小便(シッコ)」てんだそうで……笑いごとじゃねえんで……ヘエ。ノスタレジイ……ノスタルジヤにホーム・シックでゲスかい。どうもおかしいと思った。お笑いになっちゃ困ります。二人とも熱が八度ばかり出ましたよ。日本へ帰ってから聞いてみたら舶来の神経衰弱なんだそうで……重いのがノスタレジイで軽いのがオーム・シッコてんだそうですが、ハイカラな病気があればあるもんですな。派手な浴衣の赤褌(あかふんどし)に、黄色い手拭の向う鉢巻がノスタレのオーム・シッコでウンウン云ってるんですから世話ありやせんや……。

Context Focus Standard Context
派手な浴衣の赤褌 (植木屋の親父) ウンウン云って

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 ふんどし > おやじ ふんどし>父母

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
図地構成 (figure-ground organization) 服の色に焦点を当てることで、人物を背景にして色を前景化する。
人物描写 (description of a character) このあとに続く黄色い手拭いと同様に、服の色に焦点を当てることで、色覚のイメージによって人物を表す。
対照法・対照 (antithesis) 黄色い手拭いと、赤い褌を対照的に表現する。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)