ex:a1285
「白い布のような塊りが明るい燈火に照らし出されて」
「白い布のような塊りが明るい燈火に照らし出されて」
Page Type | Example |
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Example ID | a1285 |
Author | 梶井基次郎 |
Piece | 「ある崖上の感情」 |
Reference | 『梶井基次郎』 |
Pages in Reference | 93-94 |
Text
「その部屋のなかには白い布のような塊りが明るい燈火に照らし出されていて、なにか白い煙みたようなものがそこから細くまっすぐに立ち騰(のぼ)っている。そしてそれがだんだんはっきりして来るんですが、思いがけなくその男がそこに見出したものはベッドの上にほしいままな裸体を投げ出している男女だったのです。白いシーツのように見えていたのがそれで、静かに立ち騰っている煙は男がベッドで燻らしている葉巻の煙なんです。」
Context | Focus | Standard | Context |
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塊り | (男女) |
- 語っている男は塊りが実際なんであったか知っているため、喩えていると言えるが、語られている登場人物にとっては隠喩ではないと考えられる。
Rhetoric
Semantics
Grammar
Construction | |
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Mapping Type |
Lexical Slots | Conceptual Domain |
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Preceding | Morpheme | Following | Usage |
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Pragmatics
Category | Effect |
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代称・ケニング (kenning) | ベッドに横たわる男女を「塊り」と提喩的に表現する。それにより、人間であることや、個別の個体であることなどが捨象され、抽象的な存在として捉えられている。 |
極言 (-) | 人間であることや、個別の個体であることなどが捨象され、抽象的な存在として捉えられている。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)