ex:a0225
「これは平の宗盛にて候を繰返している」
「これは平の宗盛にて候を繰返している」
Page Type | Example |
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Example ID | a0225 |
Author | 夏目漱石 |
Piece | 「吾輩は猫である」 |
Reference | 『夏目漱石』 |
Pages in Reference | 210 |
Text
「後架の中で謡(うたい)をうたって、近所で後架先生と渾名をつけられているにも関せず一向平気なもので、やはりこれは平の宗盛にて候を繰返している。」
Context | Focus | Standard | Context |
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やはり | これは平の宗盛にて候 | (謡) | を繰返している |
- 「熊野(ゆや)」の冒頭で,ワキの宗盛が名乗り上げる句。
- 正しくは「これは平の宗盛なり。さても遠江の国池田の宿の長をば熊野と申し候」なので、間違って覚えたものを繰り返していることになるか。
Rhetoric
Semantics
Grammar
Construction | |
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Mapping Type |
Lexical Slots | Conceptual Domain |
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Preceding | Morpheme | Following | Usage |
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Pragmatics
Category | Effect |
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揚げ足取り (asteismus) | 「後架の中で謡(うたい)をうたって、近所で後架先生と渾名をつけられている」ほど謡が好きな人物について、本来「これは平の宗盛なり」であるところを常に「これは平の宗盛にて候」と間違え続けることを指摘し、揚げ足を取り滑稽さを表現している。 |
引用・引喩 (quotation) | 台詞そのものを名詞的に使うことで、臨場感を出している。 |
当てこすり (innuendo) | 台詞を間違え続けることに焦点を当てることで、謡う人への皮肉な態度を暗示している。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)