ex:a0075

「一分苅ではない一分生えの髪に地が透いて見えた」

「一分苅ではない一分生えの髪に地が透いて見えた」

Page Type Example
Example ID a0075
Author 幸田露伴
Piece 「観画談」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 112

Text

麦藁帽子を冠らせたら頂上で踊を踊りそうなビリケン頭に能(よ)く実が入っていて、これも一分苅ではない一分生えの髪に、厚皮らしい赭(あか)い地が透いて見えた

Context Focus Standard Context
一分生え (一分苅) の髪

  • 元の表現である「一分苅」では、一分は刈った残りの髪の長さを表すが、「一分生え」では、無毛の状態から生えた髪の長さを表している。髪の長さが短くなるか、長くなるかで、視点が交替している。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 生える ←→ 刈る contrast--2.5701-9--2.3334-3

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
図地構成 (figure-ground organization) 短い髪を、刈って残った部分とみるのではなく、少し生えた部分とみて、図地反転している。
打ち返し (crossing) 引用のかたちではないが、「一分刈」という慣用句を直前で出し、慣用句を拡張している。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)