ex:a2266

「あまがえるはすきとおってまっ青になって」

「あまがえるはすきとおってまっ青になって」

Page Type Example
Example ID a2266
Author 宮沢賢治
Piece 「カイロ団長」
Reference 『新編銀河鉄道の夜』
Pages in Reference 61

Text

『そうだ、そうだ。どれだけいいか知れないね。おい、みんな。今日は石を一人につき九百貫ずつ運んで来い。もし来なかったら早速警察へ貴様らを引き渡すぞ。ここには裁判の方のお方もお出(で)になるのだ。首をシュッポオンと切ってしまう位、実にわけないはなしだ。』 あまがえるはみなすきとおってまっ青になってしまいました。それはその筈(はず)です。一人九百貫の石なんて、人間でさえ出来るもんじゃありません。

Context Focus Standard Context
あまがえるは… すきとおってまっ青になって (恐れて)

  • 4ページ前に同じ表現がある。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 青くなる > 恐れる 紅潮する>恐れる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
縁語・縁装法 (-) 他の箇所でも用いている「まっ青」「すきとおる」という表現によって、カエルたちの姿や心情に一貫した印象を与える。
転用語法 (enallage) 「すきとおる」と「青くな(る)」は直接お互いに関係しない色覚的な変化だが、「あまがえる」の行為として記述されることにより、擬態によって物理的な色が変わって認識しにくくなるという解釈を想起させる。
含意法 (implication) 「まっさおになる」という表現は一般的だが、「すきとおって」というのは、現実的に蛙が恐れで透き通ることはないので、童話(フィクション)性が増す。
人物描写 (description of a character) 色彩に着目し、カエルたちの姿を視覚的に描く。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)