ex:a2235

「思想は書棚を埋める壁土にしか過ぎなかった」

「思想は書棚を埋める壁土にしか過ぎなかった」

Page Type Example
Example ID a2235
Author 梶井基次郎
Piece 「冬の日」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 313

Text

思想は書棚を埋める壁土にしか過ぎなかった。

Context Focus Standard Context

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 壁土 = 文献=粘土
2 思想 > 主義>文献

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B は-既出のものに関する判断の主題
2 B に[しか過ぎなかった] に-比較の基準
3 B [に]しか[過ぎなかった] しか-否定(主格以外)
4 B [にしか]過ぎ[なかった] 過ぎる(すぎる)
5 B [にしか過ぎ]なかっ[た] ない-打消-連用形
6 B [にしか過ぎなかっ]た た-過去-終止形

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 壁土という無機物に思想をなぞらえることで、その実在性と非生命性を卓立する。
イメジャリー・イメージ (imagery) 壁土という無機物に思想をなぞらえてその非生命性を卓立し、自分にとって思想が生き生きとした(=生命感のある)効果を失ってしまった様子を想起させる。
評価 (evaluation) 壁土という無機物に思想をなぞらえてその非生命性を卓立し、自分にとっては生き生きとした(=生命感のある)効果を失ってしまった思想の価値のなさを示す。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)