ex:a2208

「疎な街燈の透視図」

「疎な街燈の透視図」

Page Type Example
Example ID a2208
Author 梶井基次郎
Piece 「冬の日」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 302

Text

暗い冷たい石造の官衙(かんが)の立ち並んでいる街の停留所。そこで彼は電車を待っていた。(…)圧しつけるような暗い建築の陰影、裸の並樹、疎らな街燈の透視図。――その遠くの交叉路(こうさろ)には時どき過ぎる水族館のような電車。風景はにわかに統制を失った。そのなかで彼は激しい滅形を感じた。

Context Focus Standard Context
街灯の 透視図

  • 「透視図」は透視図法によって描かれた図。基本的に、視点の前に置いた投影面に、それを通過する光を写し取ることによって作図する。ここでは、街灯の配置が、透視図を形づくっているような様子を表現していると考えられる。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 透視図 = 照明 光熱=図

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 透視図という絵画的イメージを喚起し、街頭が放つ光に照らされる周囲の風景に、街頭を中心とした独特の遠近感を視覚的に感じさせる。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)