ex:a2155

「なるほどこんなにして滑って来るのだと思った」

「なるほどこんなにして滑って来るのだと思った」

Page Type Example
Example ID a2155
Author 梶井基次郎
Piece 「路上」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 230

Text

どうして引返そうとはしなかったのか。魅せられたように滑って来た自分が恐ろしかった。——破滅というものの一つの姿を見たような気がした。なるほどこんなにして滑って来るのだと思った。

Context Focus Standard Context
魅せられたように滑って来た自分が恐ろしかった。..破滅というものの一つの姿を見たような気がした。なるほどこんなにして 滑って (破滅して) 来るのだ

  • 先行文脈に「高い方の見晴らしへ出た。それからが傾斜である。自分は少し危いぞと思った。傾斜についている路はもう一層軟かであった。しかし自分は引返そうとも、立留って考えようともしなかった。危ぶみながら下りてゆく。一と足下りかけた瞬間から、既に、自分はきっと滑って転ぶにちがいないと思った。――途端自分は足を滑らした。片手を泥についてしまった。しかしまだ本気にはなっていなかった。起きあがろうとすると、力を入れた足がまたずるずる滑って行った。今度は片肱(ひじ)をつき、尻餅をつき、背中まで地面につけて、やっとその姿勢で身体は止った。」とある。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 滑る = 破滅する 滅びる=滑る

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)