ex:a2000

「四十の女のひとも言いました」

「四十の女のひとも言いました」

Page Type Example
Example ID a2000
Author 太宰治
Piece 「ヴィヨンの妻」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 416

Text

私は、はだしで土間に降りて男を抱いて引きとめ、『およしなさいまし。どちらにもお怪我があっては、なりませぬ。あとの始末は、私がいたします』 と申しますと、傍から四十の女のひとも、『そうですね、とうさん。気ちがいに刃物です。何をするかわかりません』 と言いました。

Context Focus Standard Context
四十の女のひと (男の妻) も言いました

  • 先行文脈に「『いらっしゃいまし』と挨拶しました。『や、これは奥さんですか』膝きりの短い外套(がいとう)を着た五十すぎくらいの丸顔の男のひとが、少しも笑わずに私に向ってちょっと首肯(うなず)くように会釈しました。女のほうは四十前後の痩せて小さい、身なりのきちんとしたひとでした。」とある。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 > 彼女 女>彼

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 語り手である「私」には初対面の人で、見た目からの大体の年齢しか情報がないことを表している。
換称 (antonomasia) 特定の人物を年齢の面から呼び換える。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)