ex:a1996

「言わば刃のこぼれてしまった細い剣を杖にしながら」

以前のリビジョンの文書です


lv3-「言わば刃のこぼれてしまった細い剣を杖にしながら」

Example ID a1996
Category 直喩・シミリ (simile)
Text

「彼はペンを執る手も震え出した。のみならず涎さえ流れ出した。彼の頭は〇・八のヴエロナアルを用いて覚めた後の外は一度もはっきりしたことはなかった。しかもはっきりしているのはやっと半時間か一時間だつた。彼はただ薄暗い中にその日暮らしの生活をしていた。言わば刃のこぼれてしまった、細い剣を杖にしながら。」(芥川龍之介「或阿呆の一生」: 438)

Context Focus Standard Context
刃のこぼれてしまった、細い剣を杖にしながら (その日暮らしの生活をしていた)
  • 死のうとしているのに死ぬことができないことを、戦いのなかで死にそこなった戦士のもつ「刃のこぼれた細い剣」で示している。諺「ペンは剣より強し」を踏まえている。
Conceptual Mappings
Source Relation Target Pattern
= ペン 死にたいが死ねない
Figurative Constructions
Construction 隠喩性構文
Structure 言わば
Function Source() = Target() ← Ground()
Rhetorical Effects
最終更新: 2019/08/01 14:39 (外部編集)