ex:a1948

「得意そうに顔中に微笑をみなぎらせた」

「得意そうに顔中に微笑をみなぎらせた」

Page Type Example
Example ID a1948
Author 芥川龍之介
Piece 「河童」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 341

Text

ゲエルはふだんよりも得意そうに顔中に微笑をみなぎらせたまま、ちょうどそのころ天下を取っていた Quorax 党内閣のことなどを話しました。

Context Focus Standard Context
微笑を みなぎらせた (浮かべた)

  • 「微笑」の“わずかな”という意味と、「みなぎる」の“いっぱいである”という意味が対比される。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 水面 = 表情 表情=球面
2 一杯 ←→ わずか なるべく<-->少し

  • 顔を水面に喩え、笑いを水面に浮かぶものに喩えている。「微笑をみなぎらせる」は「笑みを浮かべる」という慣習的な比喩からの拡張と考えられる。

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
カテゴリー転換 (-) 「顔中に微笑」を「みなぎらせる」という表現から、顔を場所、表情を液体に見立てており、表情の属性をダイナミックなものとして表している。
イディオム・慣用表現 (idiom) 「微笑を浮かべる」という慣用表現を拡張している。
人物描写 (description of a character) 顔中の満面の微笑を描写する。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)