ex:a1824

「アベックは今も同じところにうごめいている」

「アベックは今も同じところにうごめいている」

Page Type Example
Example ID a1824
Author 坂口安吾
Piece 「湯の町エレジー」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 360-361

Text

さらば閑静の道をと音無川の清流に沿うて歩くと、暗闇にうごめき、又はヌッとでてくるアベックに心胆を寒からしめられる。頼朝以来の密会地だから是非もない。頼朝が密会したのもこの川沿いの森で、ために森も川も音を沈めて彼らの囁きをいたわったという。それが音無川の名の元だという。伊東のアベックは今も同じところにうごめいているのである。

Context Focus Standard Context
アベックは うごめいている (性交している)

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 うごめく > 性交する 動く>性交する

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
含意法 (implication) 何らかの動きのみが感じられる様子を表し、暗くてよく見えないことを示唆する。
婉曲語法 (euphemism) 性行為という公言しにくい内容を婉曲的に表現している。
イメジャリー・イメージ (imagery) 虫の動作のような、モゾモゾとした控えめで細かな動きを感じさせる。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)