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「高射砲の無数の破片の落下の音のような音が無限に連続している」
「高射砲の無数の破片の落下の音のような音が無限に連続している」
Text
「岩を洗う怒濤の無限の音のような、屋根を打つ高射砲の無数の破片の無限の落下の音のような、休止と高低の何もないザアザアという無気味な音が無限に連続しているのだが、それが府道を流れている避難民達の一かたまりの跫音(あしおと)なのだ。」
Context | Focus | Standard | Context |
---|---|---|---|
屋根を打つ高射砲の無数の破片の無限の落下の音 | (跫音) |
Rhetoric
Category | |
---|---|
1 | 直喩・シミリ (simile) |
2 | イメジャリー・イメージ (imagery) |
3 | 描写 (description) |
4 | 評価 (evaluation) |
5 | 列挙法・列挙・列叙 (enumeration) |
Semantics
- 戦争中という状況ではあり得るような状況(=高射砲で打たれる)が比喩の媒体になっているため、後続のコンテクストが無ければ、推量の意味とのあいまい性が残る。
Grammar
Lexical Slots | Conceptual Domain |
---|---|
A | Source |
B | Target |
Preceding | Morpheme | Following | Usage | |
---|---|---|---|---|
1 | A | の[ような] | B | の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合 |
2 | A | [の]ような | B | 様-類似-連体形 |
- Bは「休止と高低の何もないザアザアという無気味な音」という名詞句全体とした。
Pragmatics
Category | Effect |
---|---|
イメジャリー・イメージ (imagery) | 高射砲の破片が屋根を打ち続けるという連続的かつ音量大である事象を引き合いに出すことで、避難民の大群の足音が明瞭に聞こえ、かつ途切れることなく続いている様子を具体的に想起させる。 |
描写 (description) | 高射砲の弾が連続的に炸裂する音になぞらえることことで、当該話者の耳にき終えた音がどのようなものであったのかを描いている。 |
評価 (evaluation) | 物体的に避難民を表現することで、「流れている」「ひとかたまり」などと同様に、住居や家族を失った人々の非人間性を浮かび上がらせる。 |
列挙法・列挙・列叙 (enumeration) | 避難民の足音がどのようなものであるかを描くために、それと類似している音を複数挙げている。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)