ex:a1712

「ただひときれの考えすらもない」

「ただひときれの考えすらもない」

Page Type Example
Example ID a1712
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 270-271

Text

その日から白痴の女はただ待ちもうけている肉体であるにすぎずその外の何の生活も、ただひときれの考えすらもないのであった。

Context Focus Standard Context
ひときれ () の考え

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 思考 考え=肉

  • 「ひときれ」の助数詞「きれ」の意味から、「考え」は肉のような物体として概念化されている。

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 知覚できる実体ではない思考に、肉塊と同様の具体性を与える。
イメジャリー・イメージ (imagery) 知覚できる実体ではない思考に肉塊と同様の具体性を与え、思考の度合いをその塊の大きさによって示している。
人物描写 (description of a character) 待ちぼうけている「白痴の女」の精神状態を描いている。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)