ex:a1707

「白痴の顔がころがっている」

「白痴の顔がころがっている」

Page Type Example
Example ID a1707
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 269

Text

昨日まで行列していた駅前の居酒屋の疎開跡の棒切れだの爆弾に破壊されたビルの穴だの街の焼跡だの、それらの雑多のカケラの間にはさまれて白痴の顔がころがっているだけだった。

Context Focus Standard Context
白痴の顔が ころがっている ()

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 転がる = 見える 気が付く=転がる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
評価 (evaluation) 白痴の顔に対する視線に、まるで何の変哲もない無価値な石ころに向けられる視線に感じられるような、端的な無関心が見てとれる。
擬物法・結晶法 (hypostatization) 「白痴の顔」が石などの無生物であるかのような印象を与える。
風景描写 (scene-description) 爆撃によって破壊された駅前の様子を描いている。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)