ex:a1664
「ただあくせくした人間共の思考」
以前のリビジョンの文書です
“
「人間」
| Example ID | a1664 |
|---|---|
| Category | 提喩・シネクドキ (synecdoche) |
Text
「なまじいに人間らしい分別が、なぜ必要であろうか。白痴の心の素直さを彼自身も亦もつことが人間の恥辱であろうか。俺にもこの白痴のような心、幼い、そして素直な心が何より必要だったのだ。俺はそれをどこかへ忘れ、ただあくせくした人間共の思考の中でうすぎたなく汚れ、虚妄の影を追い、ひどく疲れていただけだ。」（坂口安吾「白痴」: 262）
| Context | Focus | Standard | Context |
|---|---|---|---|
| 人間 | （人間性をもった人間） | あくせくした |
- 0p直前まで「伊沢」と三人称視点であったのが、ここで「俺」と一人称視点に切り替わる。（その後は「彼」となって三人称視点に戻る）抽象的な「人間」によって、人間性を前景化する。
Conceptual Mapping
| Source | Relation | Target | Pattern |
|---|---|---|---|
| 人間 | > | 人間性をもった人間 | 人間>人間らしい人間 |
Figurative Marker
| Marker | Elements |
|---|---|
Rhetorical Effect
最終更新: 2019/08/01 14:38 (外部編集)