ex:a1574-1
「日本は嘘のような理想郷で、ただ虚しい美しさが咲きあふれていた」
「日本は嘘のような理想郷で、ただ虚しい美しさが咲きあふれていた」
Page Type | Example |
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Example ID | a1574-1 |
Author | 坂口安吾 |
Piece | 「堕落論」 |
Reference | 『坂口安吾』 |
Pages in Reference | 226 |
Text
「近頃の東京は暗いというが、戦争中は真の闇で、そのくせどんな深夜でもオイハギなどの心配はなく、暗闇の深夜を歩き、戸締なしで眠っていたのだ。戦争中の日本は嘘のような理想郷で、ただ虚しい美しさが咲きあふれていた。」
Context | Focus | Standard | Context |
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虚しい | () | 美しさ |
Rhetoric
Semantics
Grammar
Construction | |
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Mapping Type |
Lexical Slots | Conceptual Domain |
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Preceding | Morpheme | Following | Usage |
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Pragmatics
Category | Effect |
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撞着語法・対義結合・オクシモロン (oxymoron) | 通常、望ましく充実したものと捉えられる「美しさ」という概念を「虚しい」と形容することにより、その「美しさ」に対する価値の認識を改めさせるような表現となっている。 |
皮肉・反語・アイロニー (irony) | 前の文脈から考えると、戦争によって「オイハギなどの心配はなく」という局地的な平和がもたらされるという、良くない原因によって生み出されたある種の良い結果に皮肉的な価値を付加している。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)