ex:a1496

「温顔があぐらをかいて」

「温顔があぐらをかいて」

Page Type Example
Example ID a1496
Author 坂口安吾
Piece 「勉強記」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 158

Text

お言葉と同時に、先ず何よりも高僧の肉体が、肉体の温顔が、のっしのっしと按吉の頭の中へのりこんできて、脳味噌を掻きわけてあぐらをかいてしまうのだ。按吉は、思わず目を掩(おお)う気持になる。

Context Focus Standard Context
温顔が あぐらをかいて (とどまって)

  • 先行文脈に「こういう立派な高僧方にお会いすると、どういうわけだか、人間とか、心とか、そういうものを感じる前に、いきなり肉体を感じてしまう。」とある。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 あぐらをかく = とどまる とどまる=座る

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
奇想 (conceit) 按吉にとっては得体の知れない高僧であるが、それが頭の中にのりこんできて脳みそを掻きわける奇怪な状況を表している。
心理描写 (psychological-description) 高僧の余裕と、それに翻弄される按吉を描写している。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)