ex:a1415

「屠所(としょ)の羊どころじゃねえ」

「屠所(としょ)の羊どころじゃねえ」

Page Type Example
Example ID a1415
Author 夢野久作
Piece 「人間腸詰」
Reference 『夢野久作』
Pages in Reference 380

Text

節劇(ふしげき)の文句じゃ御座んせんが『殺されるとは露つゆ知らず』でゲス。屠所(としょ)の羊どころじゃねえ。大喜びで腸詰ソーセージになりに行ったんですからね。

Context Focus Standard Context
屠所(としょ)の羊 (主人公)

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 人間 人間=牛

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A でゲス です-断定(丁寧)-終止形
2 B どころ[じゃねえ] undefined
3 B [どころ]じゃ[ねえ] だ-断定・指定-連用形
4 B [どころ]じゃ[ねえ] は-条件の提示(否定の語を予想する条件)
5 B [どころじゃ]ねえ ない(ない)

Pragmatics

Category Effect
過大誇張 (auxesis)

「屠所の羊」は屠所に引かれて行く羊。刻々と死に近づいているたとえ。「どころではない」と否定しているが、ここでは、死に向かうという意味が否定されているわけではなく、その愚かさの程度が述べられている。 |

カテゴリー転換 (-) 人間ソーセージを作る場所と知らずに揚々と出かけていく自分について、従順な動物である羊にたとえることで、その愚かさを強調する。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)