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「女の出来ねえ職人たら歌を忘れたカナリアみてえなもんで」

「女の出来ねえ職人たら歌を忘れたカナリアみてえなもんで」

Page Type Example
Example ID a1410
Author 夢野久作
Piece 「人間腸詰」
Reference 『夢野久作』
Pages in Reference 376

Text

可哀相に女の出来ねえ職人たら歌を忘れたカナリアみてえなもんで……ヘエ。

Context Focus Standard Context
歌を忘れたカナリア (女の出来ねえ職人)

  • 西条八十作詞の童謡「歌を忘れたカナリア」のこと。
  • 先行文脈に「あっし等が人寄せをやっている台湾館の中には六人の台湾娘が居て、お茶の給仕をしておりました。そいつ等の名前(なめえ)は三十年も前(めえ)の事ですから忘れちゃいましたが、何でもフン、パア、チョキ、ピン、キリ、ゲタってな八百屋の符牒みたいな苗字の女の子が、揃って台湾選(よ)り抜きの別嬪ばかりなんで、年はみんな十七か八ぐれえの水の出花(でばな)ってえ奴でしたが、最初っからの固いお布告(ふれ)で、そんな女たちに指一本でも指したら最後の助(すけ)、お給金が貰えねえばかりでなく、亜米利加でタタキ放しにするという蛮爵(ばんしゃく)様からの御達しなんで、おまけに藤村さんは藤村さんで、一足でも博覧会場から踏み出すことはならねえ。」とある。女を「出来る」とは、台湾からな娘に手を出すことを意味する。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 カナリア = 職人 職人=ひばり
2 = 女=歌

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A たら B たら-非難・難詰の対象
2 B みてえな[もんで] みたい-類似-連体形
3 B [みてえな]もん[で] 対象(たいしょう)
4 B [みてえなもん]で だ-断定・指定-連用形

Pragmatics
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)