ex:a1406

「ノスタレとオーム・シッコが二人で突立って」

以前のリビジョンの文書です


lv3-「オーム・シッコが二人で」

Example ID a1406
Category もじり
Text

「ヘエ。その病気の名前でゲスか。エエト……そうそう六の親父おやじのが「野垂(のた)れ死に」てえんで、あっしのが「鸚鵡(おうむ)・小便(シッコ)」てんだそうで……笑いごとじゃねえんで……ヘエ。ノスタレジイ……ノスタルジヤにホーム・シックでゲスかい。どうもおかしいと思った。お笑いになっちゃ困ります。二人とも熱が八度ばかり出ましたよ。日本へ帰ってから聞いてみたら舶来の神経衰弱なんだそうで……重いのがノスタレジイで軽いのがオーム・シッコてんだそうですが、ハイカラな病気があればあるもんですな。派手な浴衣の赤褌(あかふんどし)に、黄色い手拭の向う鉢巻がノスタレのオーム・シッコでウンウン云ってるんですから世話ありやせんや……。(…)破風造(はふづくり)のお化けみてえな台湾館が赤や青で塗り上って、聖路易(セントルイス)の博覧会がオッ初(ぱじ)まる事になりますと、今のノスタレとオーム・シッコが二人でフロッキコートてえ活弁(かつべん)のお仕着せみてえなものを着込んで入口の処へ突立って、藤村さんから教(おそ)わった通りの英語を、毎日毎日大きな声で怒鳴るんです。」(夢野久作「人間腸詰」: 372)

Context Focus Standard Context
オーム・シッコ (主人公) が二人で
Conceptual Mappings
Source Relation Target Pattern
ホームシック > 主人公 愁い・愁え>主人公
Figurative Construction
Construction
Mapping Schema
Functional Type
Rhetorical Effects
最終更新: 2020/06/05 17:52