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「ただその面影を大切なものに抱きしめていた」
「ただその面影を大切なものに抱きしめていた」
Page Type | Example |
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Example ID | a1386-1 |
Author | 坂口安吾 |
Piece | 「風博士」 |
Reference | 『坂口安吾』 |
Pages in Reference | 109 |
Text
「私は行雲流水を志していたから、別段女の先生に愛を告白しようとか、結婚したいなどとは考えず、ただその面影を大切なものに抱きしめていたが、この主任の暗躍をきいたときには、美しい人のまぼろしがこんな汚らしい結婚でつぶされてはと大変不安で、行雲流水の建前にも拘らず、主任をひそかに憎んだりした。」
Context | Focus | Standard | Context |
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その面影を大切なもの | に | (として) | 抱きしめていた |
- 同一ページに同じ表現がある。「私はこの人の面影を高貴なものにだきしめていた」を参照。
Rhetoric
Semantics
Source | Relation | Target | Pattern |
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Grammar
Construction | |
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Mapping Type |
Lexical Slots | Conceptual Domain |
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Preceding | Morpheme | Following | Usage |
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Pragmatics
Category | Effect |
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違反用法・語法違反 (solecism) | ここでの「大切なものに」は「大切なものとして」という程の意味である。「に」が「として」と似た意味をもつ場合としては、「代わりに使う」のような法があるが、ここでの用法はこの種の通常の語法から逸脱していると思われる。「私はこの人の面影を高貴なものにだきしめていた」も参照。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)