ex:a1372

「雷神のごとくに荒々しい帰宅であった」

「雷神のごとくに荒々しい帰宅であった」

Page Type	Example
Example ID	a1372
Author	坂口安吾
Piece	「石の思い」
Reference	『坂口安吾』
Pages in Reference	95

Text

「ゴミタメを漁り野宿して犬のように逃げ隠れてどうしても家へ帰らなかった白痴が、死の瞬間に霊となり荒々しく家へ戻ってきた。それは雷神のごとくに荒々しい帰宅であったが、然し彼は決して復讐はしていない。」

Context	Focus	Standard	Context
	雷神	（白痴［＝白痴の従兄］）

Rhetoric

	Category
1	直喩・シミリ (simile)
2	評価 (evaluation)
3	前景化 (foregrounding)

Semantics

	Source	Relation	Target	Pattern
1	雷神	=	人間	人間=神

Grammar

Construction	AのごとくにB-C
Mapping Type	概念メタファー

　

Lexical Slots	Conceptual Domain
A	Source
B	Elaboration
C	Elaboration

　

	Preceding	Morpheme	Following	Usage
1	A	の［ごとくに］	B	の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2	A	［の］ごとく［に］	B	ごとし-類似-連用形
3	A	［のごとく］に	B	だ-断定・指定-連用形
4	B	-	C	統語関係

Pragmatics

Category	Effect
評価 (evaluation)	白痴を、神という畏怖や崇敬を喚起する事物に擬えることで、当該文脈における白痴の霊に対して強く残った語り手の印象を表現する。
前景化 (foregrounding)	白痴を、それとは対照的な神に擬えることでその荒々しさを強調する。

用例一覧, 坂口安吾, 「石の思い」, 『坂口安吾』, 直喩・シミリ (simile), 評価 (evaluation), 前景化 (foregrounding), 人間=神, 神（かみ）, 人間（にんげん）, AのごとくにB-C, の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合, ごとし-類似-連用形, だ-断定・指定-連用形, 統語関係, T-Komatsubara, T-Komatsubara, Y-Kasuga, R-Kikuchi

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)