ex:a1326
「歯答えがあるだけでどうしても始末をつける事が出来ない」
「歯答えがあるだけでどうしても始末をつける事が出来ない」
| Page Type | Example |
|---|---|
| Example ID | a1326 |
| Author | 夏目漱石 |
| Piece | 「吾輩は猫である」 |
| Reference | 『夏目漱石』 |
| Pages in Reference | 247 |
Text
「吾輩はとうとう雑煮を食わなければならぬ。最後にからだ全体の重量を椀の底へ落すようにして、あぐりと餅の角を一寸(いっすん)ばかり食い込んだ。このくらい力を込めて食い付いたのだから、大抵なものなら噛(か)み切れる訳だが、驚いた! もうよかろうと思って歯を引こうとすると引けない。もう一辺噛み直そうとすると動きがとれない。餅は魔物だなと疳(かん)づいた時はすでに遅かった。沼へでも落ちた人が足を抜こうと焦慮(あせ)るたびにぶくぶく深く沈むように、噛めば噛むほど口が重くなる、歯が動かなくなる。歯答えはあるが、歯答えがあるだけでどうしても始末をつける事が出来ない。」
| Context | Focus | Standard | Context |
|---|---|---|---|
| 始末をつける | (餅を噛み切る) | 事が出来ない |
Rhetoric
Semantics
Grammar
| Construction | |
|---|---|
| Mapping Type |
| Lexical Slots | Conceptual Domain |
|---|
| Preceding | Morpheme | Following | Usage |
|---|
Pragmatics
| Category | Effect |
|---|---|
| カテゴリー転換 (-) | 餅を噛みきれないことに対して「始末をつける」という食以外に用いるような表現を用いる。 |
| 評価 (evaluation) | 「始末をつける」と表現することで、噛みきれない餅を食として捉えていないという評価を示す。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)
