ex:a1290
「自分に萎びた古手拭のような匂いが沁みているような気がして」
「自分に萎びた古手拭のような匂いが沁みているような気がして」
| Page Type | Example |
|---|---|
| Example ID | a1290 |
| Author | 梶井基次郎 |
| Piece | 「ある崖上の感情」 |
| Reference | 『梶井基次郎』 |
| Pages in Reference | 96 |
Text
「そのうちに彼は晴ればれとした往来へ出ても、自分に萎びた古手拭のような匂いが沁みているような気がしてならなくなった。」
| Context | Focus | Standard | Context |
|---|---|---|---|
| 萎びた古手拭のような匂いが沁みている | () |
- 仮想的な描写。小母さんとのふしだらな関係に満足できなくなり、そのことで暗い気持ちになっていることを表している。
Rhetoric
| Category | |
|---|---|
| 1 | 直喩・シミリ (simile) |
| 2 | 心理描写 (psychological-description) |
| 3 | イメジャリー・イメージ (imagery) |
| 4 | 擬物法・結晶法 (hypostatization) |
Semantics
| Source | Relation | Target | Pattern |
|---|
Grammar
| Construction | Aような気がしてならなくなった |
|---|---|
| Mapping Type | 概念メタファー |
| Lexical Slots | Conceptual Domain |
|---|---|
| A | Source |
| Preceding | Morpheme | Following | Usage | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | A | ような[気がしてならなくなった] | 様-類似-連体形 | |
| 2 | A | [ような]気[がしてならなくなった] | 気(き) | |
| 3 | A | [ような気]が[してならなくなった] | が-主語 | |
| 4 | A | [ような気が]して[ならなくなった] | する(する) | |
| 5 | A | [ような気がして]なら[なくなった] | 変質する(へんしつする) | |
| 6 | A | [ような気がしてなら]なく[なった] | ない(ない) | |
| 7 | A | [ような気がしてならなく]なっ[た] | 変質する(へんしつする) | |
| 8 | A | [ような気がしてならなくなっ]た | た-完了-終止形 |
Pragmatics
| Category | Effect |
|---|---|
| 心理描写 (psychological-description) | 常に鬱屈とした感情などに苛まれ、気分良くならないという心情を表現する。 |
| イメジャリー・イメージ (imagery) | 古い手拭が萎びており、かつ独特の異臭を放つことを想起させることで、当該人物の気分の晴れない様子を表現する。 |
| 擬物法・結晶法 (hypostatization) | 自分の心情を古手拭という具体物によそえて表現している。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)
