ex:a1271
「世間に住みつく根を失って浮草のように流れている」
「世間に住みつく根を失って浮草のように流れている」
Page Type | Example |
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Example ID | a1271 |
Author | 梶井基次郎 |
Piece | 「ある崖上の感情」 |
Reference | 『梶井基次郎』 |
Pages in Reference | 85 |
Text
「その崖の上へ一人で立って、開いている窓を一つ一つ見ていると、僕はいつでもそのことを憶い出すんです。僕一人が世間に住みつく根を失って浮草のように流れている。そしていつもそんな崖の上に立って人の窓ばかりを眺めていなければならない。すっかりこれが僕の運命だ。」
Context | Focus | Standard | Context |
---|---|---|---|
浮草 | (僕) |
Rhetoric
Semantics
Grammar
Lexical Slots | Conceptual Domain |
---|---|
A | Target |
B | Source |
C | Elaboration |
Preceding | Morpheme | Following | Usage | |
---|---|---|---|---|
1 | A | が | C | が-主語 |
2 | B | の[ように] | C | の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合 |
3 | B | [の]ように | C | 様-類似-連用形 |
Pragmatics
Category | Effect |
---|---|
イメジャリー・イメージ (imagery) | 自身を浮草のイメージで表現する。 |
アナロジー・類推 (analogy) | 世間に確固とした自身の立ち位置を持っていないことを、浮草が流れに任せて位置が定まることのないことの類推で表現する。 |
縁語・縁装法 (-) | 「根」という植物語彙に後続して「浮草」を用いる。植物に関連するイメージで文章を展開する。さらに、「浮草」が水にあることから「流れる」を導出し、社会の中で身を定めることのない様子を表現する。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)