ex:a1256
「小さい流れがサーッと広びろとした江に変じてしまった」
以前のリビジョンの文書です
lv3-「小さい流れがサーッと広びろとした江に変じてしまった」
Example ID | a1256 |
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Category | 直喩・シミリ (simile) |
Text
「こんな風にして真近に河鹿(かじか)を眺めていると、ときどき不思議な気持になることがある。芥川龍之介は人間が河童(かっぱ)の世界へ行く小説を書いたが、河鹿の世界というものは案外手近にあるものだ。私は一度私の眼の下にいた一匹の河鹿から忽然(こつぜん)としてそんな世界へはいってしまった。その河鹿は瀬の石と石との間に出来た小さい流れの前へ立って、あの奇怪な顔つきでじっと水の流れるのを見ていたのであるが、その姿が南画の河童とも漁師ともつかぬ点景人物そっくりになって来た、と思う間に彼の前の小さい流れがサーッと広びろとした江に変じてしまった。」(梶井基次郎「交尾」: 64)
Context | Focus | Standard | Context |
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江 | (小さい流れ) |
- 河鹿ガエルの世界に没入すると、人間から見れば小さい川が入江のような大きさに感じられることを描写している。
Conceptual Mappings
Figurative Constructions
Construction | 隠喩性構文 |
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Structure | に変じて |
Function | Source() = Target() ← Ground() |
Rhetorical Effects
最終更新: 2019/08/01 14:37 (外部編集)