ex:a1119

「入道のような大坊主で」

「入道のような大坊主で」

Page Type Example
Example ID a1119
Author 坂口安吾
Piece 「石の思い」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 75

Text

私はもう会話も覚えておらぬ。全てを忘れているが、私はこの大きな男、まったく、入道のような大坊主で、顔の長くて円くて大きいこと、海坊主のような男であったが、ひどく大袈裟な物々しい男のくせに、私と何の距てもない心の幼さが分るようであった。

Context Focus Standard Context
入道 (大坊主)

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 大入道 = 坊主 僧俗=巨人

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 まったく ような すこぶる(すこぶる)
2 A の[ような] B の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 A [の]ような B 様-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
人物描写 (description of a character) 大きな体躯を持つ容貌を入道で表わしつつ、そのような怪物性と裏腹に心が幼さを持っていることを描写する。
対照法・対照 (antithesis) 大きな体躯を持つ容貌と、心の幼さを対比的に際立たせる。
イメジャリー・イメージ (imagery) 大きな体躯を持つ容貌を、入道のイメージで描写している。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)