ex:a1099
「途方もない混沌をグイとばかりに呑みほす」
「途方もない混沌をグイとばかりに呑みほす」
Page Type | Example |
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Example ID | a1099 |
Author | 坂口安吾 |
Piece | 「FARCEに就て」 |
Reference | 『坂口安吾』 |
Pages in Reference | 57 |
Text
「諦めを肯定し、溜息を肯定し、何言ってやんでいを肯定し、と言ったようなもんだよを肯定し——つまり全的に人間存在を肯定しようとすることは、結局、途方もない混沌を、途方もない矛盾の玉を、グイとばかりに呑みほすことになるのだが、しかし決して矛盾を解決することにはならない、人間ありのままの混沌を、永遠に肯定しつづけて止まない所の根気のほどを、呆れ果てたる根気の程を、白熱し、一人熱狂して持ちつづけるだけのことである。」
Context | Focus | Standard | Context |
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混沌を | グイとばかりに呑みほす | (肯定する) |
Rhetoric
Semantics
Grammar
Construction | |
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Mapping Type |
Lexical Slots | Conceptual Domain |
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Preceding | Morpheme | Following | Usage |
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Pragmatics
Category | Effect |
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擬物法・結晶法 (hypostatization) | 「グイとばかりに呑みほす」ことができるものとして混沌や矛盾を表す。 |
イメジャリー・イメージ (imagery) | 「全的に人間存在を肯定」することを、玉を呑み込むイメージで具体的に理解させる。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)