ex:a1098
「途方もない矛盾の玉をグイとばかりに呑みほす」
「途方もない矛盾の玉をグイとばかりに呑みほす」
Page Type | Example |
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Example ID | a1098 |
Author | 坂口安吾 |
Piece | 「FARCEに就て」 |
Reference | 『坂口安吾』 |
Pages in Reference | 57 |
Text
「諦めを肯定し、溜息を肯定し、何言ってやんでいを肯定し、と言ったようなもんだよを肯定し——つまり全的に人間存在を肯定しようとすることは、結局、途方もない混沌を、途方もない矛盾の玉を、グイとばかりに呑みほすことになるのだが、しかし決して矛盾を解決することにはならない、人間ありのままの混沌を、永遠に肯定しつづけて止まない所の根気のほどを、呆れ果てたる根気の程を、白熱し、一人熱狂して持ちつづけるだけのことである。」
Context | Focus | Standard | Context |
---|---|---|---|
玉 | (矛盾) |
Rhetoric
Semantics
Grammar
Lexical Slots | Conceptual Domain |
---|---|
A | Target |
B | Source |
Preceding | Morpheme | Following | Usage | |
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1 | A | の | B | の-同格(同じ内容) |
Pragmatics
Category | Effect |
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擬物法・結晶法 (hypostatization) | 矛盾を玉と物体的に表す。それを呑むことで矛盾への非難という言語活動を強制的に止めさせ、全てを肯定するという立場に立たせる。 |
異例結合 (-) | 「矛盾」という抽象概念と「玉」という具体物を連体修飾関係で結ぶ。 |
イメジャリー・イメージ (imagery) | 「全的に人間存在を肯定」することを、玉を呑み込むイメージで具体的に理解させる。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)