ex:a1087

「ここから先へ一歩を踏み外せば」

「ここから先へ一歩を踏み外せば」

Page Type Example
Example ID a1087
Author 坂口安吾
Piece 「FARCEに就て」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 56

Text

現実としての空想の——ここまでは紛れもなく現実であるが、ここから先へ一歩を踏み外せば本当の『意味無し(ナンセンス)』になるという、かような、喜びや悲しみや歎(なげ)きや夢や嚔(くしゃみ)やムニャムニャや、およそ有(あら)ゆる物の混沌の、およそ有ゆる物の矛盾の、それら全ての最頂天(パラロキシミテ)において、羽目を外して乱痴気(らんちき)騒ぎを演ずるところの愛すべき怪物が、愛すべき王様が、すなわち紛れなくファルスである。

Context Focus Standard Context
一歩を 踏み外せば (踏み出せば)

  • 一歩を踏み出し、そして踏み出せば踏み外すであろうというシニカルな態度が示されている。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 踏み外す > 踏み出す またぐ>踏み切る

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
混成・混交 (blending) 「一歩を踏み出す」と「足を踏み外す」が混合されている。
イメジャリー・イメージ (imagery) 「一歩を踏み出す」と「足を踏み外す」が混合されている。それにより、道を踏み外して落ちていく場所としてナンセンスを捉える。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)