ex:a1073
「この厄介な『芸術』の二文字を語彙の中から抹殺して」
「この厄介な『芸術』の二文字を語彙の中から抹殺して」
Page Type | Example |
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Example ID | a1073 |
Author | 坂口安吾 |
Piece | 「FARCEに就て」 |
Reference | 『坂口安吾』 |
Pages in Reference | 45 |
Text
「さて、それ故私は、この出鱈目(でたらめ)な一文を草するに当つても、あえて世論を向うに廻して、『ファルスといへども芸術である』なぞと肩を張ることを最も謙遜に差し控え、さればとて、『だから悲劇のみ芸術である』なぞと言はれるのもいささか心外であるために、まづ、何の躊躇(ため)らう所もなくこの厄介な『芸術』の二文字を語彙の中から抹殺して(アア、清々した!)(…)」
Context | Focus | Standard | Context |
---|---|---|---|
「芸術」の二文字を | 抹殺して | (排除して) |
- 1ページ前に同じ表現がある。
Rhetoric
Semantics
Grammar
Construction | |
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Mapping Type |
Lexical Slots | Conceptual Domain |
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Preceding | Morpheme | Following | Usage |
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Pragmatics
Category | Effect |
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擬人法 (personification) | ある人物を、痕跡を全く残さずに秘密裏のうちに社会の中から消し去ってしまうときのような巧妙さをもって、「芸術」ということばを自らの語彙から完全に排除してしまうということが、擬人化によって表現されている。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)