ex:a1072

「『芸術』の二文字を語彙の中から抹殺して」

「『芸術』の二文字を語彙の中から抹殺して」

Page Type Example
Example ID a1072
Author 坂口安吾
Piece 「FARCEに就て」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 45

Text

さて、それ故私は、この出鱈目(でたらめ)な一文を草するに当つても、あえて世論を向うに廻して、『ファルスといへども芸術である』なぞと肩を張ることを最も謙遜に差し控え、さればとて、『だから悲劇のみ芸術である』なぞと言はれるのもいささか心外であるために、まづ、何の躊躇(ため)らう所もなくこの厄介な『芸術』の二文字を語彙の中から抹殺して(アア、清々した!)(…)

Context Focus Standard Context
「芸術」の二文字 (芸術という概念) を語彙の中から抹殺して

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 文字 > 概念 文字>理念

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 「芸術」という文字を消す行為を想起させることで、それによってあたかも筆者の心から「芸術」という概念そのものを消してしまうかのような印象を与える。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)