ex:a0902
「この傍観者の利己主義をそれとなく感づいた」
以前のリビジョンの文書です
lv3-「この傍観者の利己主義をそれとなく感づいた」
Example ID | a0902 |
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Category | 提喩・シネクドキ (synecdoche) |
Text
「――人間の心には互に矛盾した二つの感情がある。勿論、誰でも他人の不幸に同情しない者はない。所がその人がその不幸を、どうにかして切りぬける事が出来ると、今度はこっちで何となく物足りないような心もちがする。少し誇張して云えば、もう一度その人を、同じ不幸に陥れて見たいような気にさえなる。そうしていつの間にか、消極的ではあるが、ある敵意をその人に対して抱くような事になる。――内供が、理由を知らないながらも、何となく不快に思ったのは、池の尾の僧俗の態度に、この傍観者の利己主義をそれとなく感づいたからにほかならない。」(芥川龍之介「鼻」: 46)
Context | Focus | Standard | Context |
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傍観者 | (人間) | の利己主義をそれとなく感づいた |
Conceptual Mapping
Figurative Marker
Marker | Elements |
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Rhetorical Effect
最終更新: 2019/08/01 14:35 (外部編集)