ex:a0707
「油のような夕日の光」
「油のような夕日の光」
| Page Type | Example |
|---|---|
| Example ID | a0707 |
| Author | 芥川龍之介 |
| Piece | 「杜子春」 |
| Reference | 『芥川龍之介』 |
| Pages in Reference | 166 |
Text
「何しろその頃洛陽といえば、天下に並ぶもののない、繁昌を極めた都ですから、往来にはまだしっきりなく、人や車が通っていました。門一ぱいに当っている、油のような夕日の光の中に、老人のかぶった紗の帽子や、土耳古の女の金の耳環や、白馬に飾った色糸の手綱が、絶えず流れて行く容子は、まるで画のような美しさです。」
| Context | Focus | Standard | Context |
|---|---|---|---|
| 油 | 夕日の光 |
Rhetoric
Semantics
Grammar
| Lexical Slots | Conceptual Domain |
|---|---|
| A | Source |
| B | Target |
| Preceding | Morpheme | Following | Usage | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | A | の[ような] | B | の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合 |
| 2 | A | [の]ような | B | 様-類似-連体形 |
Pragmatics
| Category | Effect |
|---|---|
| アナロジー・類推 (analogy) | 夕陽を油という液体になぞらえることで、その中での人々の動きを液体の中を移動する(=流れる)ものとし、夕方の街の動きが緩慢であるという印象を与える。 |
| 明晰 (clarity) | 油の色を引き合いに出すことで、夕日の光に見てとれた色合いが具体化されている。 |
| 風景描写 (scene-description) | 夕日の光を油になぞらえることによって、夕刻の風景を描いている。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)
