ex:a0577
「彼の口さえなかったとしたら」
「彼の口さえなかったとしたら」
Page Type | Example |
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Example ID | a0577 |
Author | 坂口安吾 |
Piece | 「村のひと騒ぎ」 |
Reference | 『坂口安吾』 |
Pages in Reference | 23 |
Text
「問題は彼の口である。すなわち、前段で述べたような会話がまだ寒原家の一室で取り交わされている時分に、この宿命的な不幸はもはや村一面に流布していた。もし彼の口さえなかったとしたら——」
Context | Focus | Standard | Context |
---|---|---|---|
彼の | 口 | (話すこと) | さえなかったら |
- 同一ページに同じ表現がある。
Rhetoric
Category | |
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1 | 換喩・メトニミー (metonymy) |
2 | 強調反復 (diacope) |
3 | 側写法 (metalepsis) |
4 | 省略法・省略 (ellipsis) |
5 | イメジャリー・イメージ (imagery) |
Semantics
Grammar
Construction | |
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Mapping Type |
Lexical Slots | Conceptual Domain |
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Preceding | Morpheme | Following | Usage |
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Pragmatics
Category | Effect |
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強調反復 (diacope) | 直前の「問題は彼の口である。」に連なる表現。問題の原因として「彼の口」を焦点化する。 |
側写法 (metalepsis) | 口という器官によって、「口の軽さ」という、それを用いて行われる伝達行為に関わる「彼」の性質を迂言的に指す。 |
省略法・省略 (ellipsis) | 「口が軽い(口の軽さ)」という慣習的な表現を、その中心要素である「口」によって代表させる。 |
イメジャリー・イメージ (imagery) | 「口が軽い」という「彼」の性格上の問題の有無が、あたかもその口そのものの有無の問題であるかのように感じさせる。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)