ex:a0450
「村そのものが一つの動揺となって」
「村そのものが一つの動揺となって」
Page Type | Example |
---|---|
Example ID | a0450 |
Author | 坂口安吾 |
Piece | 「村のひと騒ぎ」 |
Reference | 『坂口安吾』 |
Pages in Reference | 28 |
Text
「それから、村そのものが一つの動揺となって、居たり立ったり空間の一ヶ所を穴ぼこのように視凝(みつ)めたり、埋葬のようにゆるぎだしたり、じりじりと苛立ちはじめたりした。」
Context | Focus | Standard | Context |
---|---|---|---|
一つの動揺 | 村そのもの |
Rhetoric
Semantics
Grammar
Lexical Slots | Conceptual Domain |
---|---|
A | Target |
B | Source |
Preceding | Morpheme | Following | Usage | |
---|---|---|---|---|
1 | A | が | B | が-主語 |
2 | B | と[なる] | と-帰着点 | |
3 | B | [と]なる | 変質する(へんしつする) |
- 動揺しているのは村人であり、その村人は村にいる。この動揺と村との近接性を「〜となる」という表現で明示的に示している。
Pragmatics
Category | Effect |
---|---|
異化 (alienation) | 村が動揺それ自体になるという異質な表現をすることで、個別の人々の動揺を描くよりも村に起こった異変を効果的に表現する。ある個人にとっての異変ではなく、村という集団(全体)にとっての異変であることを表す。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)