ex:a0274-1

「法衣と女房の取り換えっこをした」

「法衣と女房の取り換えっこをした」

Page Type Example
Example ID a0274-1
Author 夢野久作
Piece 「いなか、の、じけん」
Reference 『夢野久作全集第1』
Pages in Reference 59

Text

ところがそのうちに三人の連れ立った姿が街道に見られなくなって、その代りに頭を青々と丸めて、法衣を着たチョンガレの托鉢姿だけが、村の人の眼につくようになった。……コレは可怪しい。和尚の方は一体何をしているのか……と例によってオセッカイな若い者が覗きに行ってみると、坊主はチョンガレの女房を、自分の蒲鉾小屋に引きずり込んで、魚なぞを釣って納まり返っている。夕方にチョンガレが帰って来ても、女房は平気で坊主のところにくっ付いているし、チョンガレも独りで煮タキして独りで寝る……おおかた法衣と女房の取り換えっこをしたのだろう……というのが村の者の解釈であった。

Context Focus Standard Context
法衣と 女房 (妻帯すること) の取り換えっこをした

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 女房 > 既婚 妻>既婚

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
換称 (antonomasia) 「女房」という一般的な括りで呼称する。それにより、村の者たちにとって、この女性のパーソナリティはどうでもよく、女として僧侶と姦通しているという話題に使っているだけであることが読み取れる。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)