ex:a0266

「振袖人形がハッと仰天した」

「振袖人形がハッと仰天した」

Page Type Example
Example ID a0266
Author 夢野久作
Piece 「いなか、の、じけん」
Reference 『夢野久作全集第1』
Pages in Reference 54

Text

そのうちに誰かが知らせたものと見えて、この家の若い主人が帰って来た。手足を泥だらけにした野良着のままであったが、肩を聳やかして土間に這入るとイキナリ、人形をさし上げている爺さんの襟首に手をかけてグイと引いた。振袖人形がハッと仰天した。そうして次の瞬間にはガックリと死んでしまった。

Context Focus Standard Context
人形をさし上げている爺さんの襟首に手をかけてグイと引いた。 振袖人形がハッと仰天した (爺さんが引き倒された)

Rhetoric
Semantics
Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬人法 (personification) 人形に生き物のような感情が感じられる。
声喩・オノマトペ (onomatoeia) 振袖人形の動きが「ハッと」したときの人の動きになぞらえられている。
対照法・対照 (antithesis) 直後の「ガックリと死んでしまった」との間に、静と動の落差が感じられる。
含意法 (implication) 人形を操る爺さんに異変が起こったことを、人形の動きを描写することによって間接的に表現している。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)