ex:a0229
「彼はアンドレア・デル・サルトを極め込んでいる」
「彼はアンドレア・デル・サルトを極め込んでいる」
| Page Type | Example |
|---|---|
| Example ID | a0229 |
| Author | 夏目漱石 |
| Piece | 「吾輩は猫である」 |
| Reference | 『夏目漱石』 |
| Pages in Reference | 211-212 |
Text
「『へえアンドレア・デル・サルトがそんな事をいった事があるかい。ちっとも知らなかった。なるほどこりゃもっともだ。実にその通りだ』と主人は無暗(むやみ)に感心している。金縁の裏には嘲(あざ)けるような笑(わらい)が見えた。(…)ふと眼が覚めて何をしているかと一分ばかり細目に眼をあけて見ると、彼は余念もなくアンドレア・デル・サルトを極め込んでいる。」
| Context | Focus | Standard | Context |
|---|---|---|---|
| 彼は | アンドレア・デル・サルト | (アンドレア・デル・サルトのように写生を行うこと) | を極め込んでいる |
- 直前に「彼の友は金縁の眼鏡越(めがねごし)に主人の顔を見ながら、『そう初めから上手にはかけないさ、第一室内の想像ばかりで画(え)がかける訳のものではない。昔むかし以太利(イタリー)の大家アンドレア・デル・サルトが言った事がある。画をかくなら何でも自然その物を写せ。天に星辰(せいしん)あり。地に露華(ろか)あり。飛ぶに禽(とり)あり。走るに獣(けもの)あり。池に金魚あり。枯木(こぼく)に寒鴉(かんあ)あり。自然はこれ一幅の大活画(だいかつが)なりと。どうだ君も画らしい画をかこうと思うならちと写生をしたら』」とある。
Rhetoric
Semantics
Grammar
| Construction | |
|---|---|
| Mapping Type |
| Lexical Slots | Conceptual Domain |
|---|
| Preceding | Morpheme | Following | Usage |
|---|
Pragmatics
| Category | Effect |
|---|---|
| 人物描写 (description of a character) | 他人から聞いたばかりの画家の名前をだすことによって、それがいったい何を指すのかよく分からないことを示し、よく分からないまま真似をする主人を揶揄している。 |
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)
