ex:a0211

「あいつのおやじは湯島のかげまかもしれない」

「あいつのおやじは湯島のかげまかもしれない」

Page Type Example
Example ID a0211
Author 夏目漱石
Piece 「坊っちゃん」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 169

Text

『(…) あんな弱虫は男じゃないよ。全く御殿女中(ごてんじょちゅう)の生れ変りか何かだぜ。ことによると、あいつのおやじは湯島のかげまかもしれない』『湯島のかげまた何だ』『何でも男らしくないもんだろう。――君そこのところはまだ煮えていないぜ。そんなのを食うと絛虫(さなだむし)が湧わくぜ』

Context Focus Standard Context
あいつのおやじは 湯島のかげま (男らしくない人物)

  • 本郷の湯島天神門前町は、江戸で特に陰間茶屋が集まっていた場所として知られる。陰間茶屋(かげまちゃや)とは江戸時代中期、「陰間(かげま)」が売春をする居酒屋・料理屋・傾城屋の類。陰間とは男娼を指す。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 男娼 = おやじ 父母=売春婦

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
評価 (evaluation) 男娼と結びついたステレオタイプ的イメージから、件のおやじに男らしさが欠けていることに対する否定的評価が感じられる。
象徴・シンボル (symbol) 「湯島」という特定の地域を引き合いに出すことで、より特定の具体的なイメージ・評価をもつことが示唆される。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)