ex:a0201

「五六間先へ遠征に出た」

「五六間先へ遠征に出た」

Page Type Example
Example ID a0201
Author 夏目漱石
Piece 「坊っちゃん」
Reference 『夏目漱石』
Pages in Reference 156

Text

諸方を見廻してみると、膳の上に満足な肴の乗っているのは一つもない。自分の分を奇麗に食い尽して、五六間先へ遠征に出た奴もいる。

Context Focus Standard Context
五六間先へ 遠征 (食べものを物色) に出た

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 遠征 = 物色 捜し物=軍拡
2 遠い ←→ 近い 遠い<-->近い

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
描写 (description) 「諸方を見廻してみ」て目に入った座敷の様子を描いている。
アナロジー・類推 (analogy) 遠方への目的を持った移動である遠征を用いることで、お座敷という広い空間においての移動を表し、その目的として他人のお膳の相伴にあずかりに行っていることを暗示する。
ユーモア (humour) 遠征という行為の持つ実務的な目的性に対して、お膳を頂きに行くという目的がギャップを持つことによって、ユーモアをも生む。
過大誇張 (auxesis) 他の人の肴も食べようとする卑しい行為が、調査・探究のように、明確な目標をもって大掛かりで組織だてて行われているかのような、滑稽な印象を与える。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)