著名な先行作品の趣向をとりいれる和歌の修辞技法

* 『新古今和歌集』巻六「冬歌」に収められている「駒とめて袖打はらふかげもなし さののわたりの雪の夕暮」という藤原定家の一首は、『万葉集』巻三所収の「苦しくも降り来る雨か神（みわ）が崎 狭野（さの）の渡りに家もあらなくに」という長忌寸奥麻呂（ながのいみきおきまろ）の歌を本歌とした作品

* 『日本語の文体・レトリック辞典』（中村明／東京堂出版）