目次

「東奔西走、極めて多忙にとび廻り飲み廻り口説き廻っている」

Page Type Example
Example ID a1813
Author 坂口安吾
Piece 「金銭無情」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 330

Text

知らねえや、勝手にしろ、と倉田はもうタヌキ屋の方へはめったに現れず、東奔西走、持ちつ持たれつ家老の口という奴をあちらこちらに口をかけて極めて多忙にとび廻り飲み廻り口説き廻っている

Context Focus Standard Context
とび廻り 飲み廻り口説き廻っている ()

Rhetoric

Semantics

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
ユーモア (humour) 「飛び回る」から、「V回る」という動詞複合の適用範囲を拡張している。「飛び回る」は忙しく働くことを表す慣用表現であるが、「(酒を)飲む」「(女を)口説く」が並列されることで、真剣さが急落している。
類像性・イコン性 (iconicity) 「飛び回る」から、「V回る」という動詞複合の適用範囲を拡張している。この形式の反復によって、始終動き回っている様子が想像される。
カテゴリー転換 (-) Xを色々な場所ですることを意味する「X回る」という構文を拡張的に用いている。